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「…何だダベラスさんか………あの…ゴーグル返してくれませんか」
「何でですか?」
「俺それがないと…」
「ないと?」

俺の頬にピチャリと水滴が落ちた
大声で叫んでしまう

「ぎゃぁぁぁぁ」

そんでもってダベラスに引っ付く

「何のフラグ……」
「はっ……すんません。ないと俺…俺……」
「俺?」
「自信が無くなってしまうのですぅぅぅ…だ…だからどうかその…ゴーグルをか、返してください……」

ダベラスは面白そうに唇を歪ませた
こちらからすれば面白くないが

ダベラスはひょいっと瓦礫の山に登る

「そーんなに大事なら実力で奪い返してみなさい」
「ちょー!!」
「じゃっ!」
「待ってください俺を置いてかないでぇぇぇぇ」

そんな自分の叫びも虚しく彼は壁を伝って浮遊し、すぐ何処かへ消え去ってしまった
仕方ないから彼を探すことにした


探すこと数時間。同じ所をグルグル回っている気がする
更に、数時間。開けた間にたどり着いた
中央には玉座がありダベラスがそれに座っている

何処から盗ってきたのか分からぬ宝石やらなんやら眺めていた

俺は後ろからゆっくりと忍び寄る
トレジャーハンターの俺が一発Peopleに気付かれるはずがない。ないはずだった

ザリ…

「んー…何してるんですか?」
「いやぁ……玉座に隠し扉があるかなぁーっと思いまして…」
「成る程ー。じゃあ私は邪魔にならない所で見学させてもらいますー」
「そうですかー。ついでにゴーグルも返してくださいー」
「ヤ!ですね」
「ですよねー」

予想通りの答えありがとうございます
うぅ…怖い…怖いよ
仕掛けなんか見つかる気がしないよ

彼は少し離れた所に座り直す

「さぁ、存分に探してくださいー。あ、金塊みーっけ」
「俺はまだ何も見つけてないのに…ぶつぶつ」

探している手が沈む
カチッという音がする

玉座が右に動く

下に階段が現れた

「おぉう」
「やったぁぁぁぁ!お宝お宝ー」
「あ、その先は……」

ドン、という音がした後悲鳴が聞こえた
多分襲われた方の悲鳴ではなく恐怖の悲鳴だと思う

仕方ないから下へ下りる
途中の階段が崩れておりとても老朽化している

成る程落ちたのか

身軽に落ちると蛙を潰したような音がした
「?」
「下……ダベラスさん下………」
「下……あぁ、これはこれは失礼しました」

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