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トレジャーハンター

漢の夢の一つだ

この世界にもオーパーツみたいなものの一つや二つはある

神宝の一つや二つはある

トレジャーハンターの心を擽るような秘宝がまだまだ沢山ある

S級ハンターのアレスト・ストライクは宝をハントしようとして、誰ひとりとして生きて帰ってこなかった"マナの指輪"を探しに来ていた

魔城"レヴァナント"
かつて世界を手にしたレヴァナント一族が一夜にして滅んだ城だ
その一族と兵士、メイド等未だ成仏出来ずにさ迷っているという所謂、死にたくなかったら近付くな!心霊スポットだ


「うはー…超雰囲気あるわー」

城の中を注意深く進む
此処には魔物も巣くっていれば、亡霊も居る

骸骨とかも普通にある

そりゃあもう…そこら辺の奴じゃあおもらししちまうくらいの恐さだ

だが俺は違う
今までこういうところに何度も行ってる

それに怖くて漏らしちまうくらいじゃあトレジャーハンターは勤まらねぇぜ

「んー…なんつーか骸骨無駄に多くね?」
「そーですねぇ……これは物本の無念に散ってった方々の白骨死体ですよぉ」

聞き慣れた声がした
後ろを振り返る
聞き慣れた声だったけれども、聞き慣れた声だったけれども……
顔にライトが当たっていて、しかも白化粧していて無駄に、無駄に

「出たぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

俺は咄嗟に走る
全力で走る

お化けがぽよんぽよん跳ねながら追い掛けてくる

老朽化して今にも柱などが倒れそうな広間へと逃げた
バタバタと走ったせいで足場が崩れ、下に落ちた

瓦礫の山から這い出る

「……たたたたた」
「だーいじょーぶですかー?」
「ぎゃあああああ!!」

お化けに頭のゴーグルを取られた
恐怖で身を縮める

「ごめんなさいごめんなさい、何でもしますから命だけは……!」
「いやいやアレストさん」

お化けが手を差し出す
俺は目を閉じた

「おーい、アレストさん」
「ごめんなさいごめんなさい生まれてごめんなさい」
「おーいワタシですよ」
「ひぃぃぃぃぃ」
「ワタシですよ、ダベラスですよ」
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ」

お化けの顔に光がいっそう当たる

お化けは手に息を吹き掛けた
勢い良く振り上げる

「落ち着きなさい」
「あだっ」

頬がヒリヒリする
痛い、とっても痛い

目を擦った
そこにはダベラスが居た

ホッと胸を撫で下ろす

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