1-4
「……憎い……憎い……生きている人間が憎い」
「………ビビってちびる…な、よ?」
「誰が。お前も餓鬼みたいに泣くなよ?」
「……欲しい………欲しい……」
「………芋けんぴ?」
「……違う!!」
あ、返した。
「……お前達の生き血が……欲しいあ゙ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「で、出たー!!」
逃げる。全力で逃げる
目玉が垂れ落ちたゾンビみたいなやつから逃げる
全力で逃げるが逃げ道がない
ついうっかり、行き止まりの道を選んでしまった
だが迷っている暇はない
だって、怖いもん
壁を蹴る
レヴァナは壁を伝って中に浮く
セルジオは旋回する
そして狙いを定め、セルジオの蹴りが、レヴァナの魔法弾が、亡霊に命中する
「ちょ……ぎゃぁぁぁぁぁ!!」
「亡霊ごときがナメやがって!」
「……ふん」
亡霊にはこう見える
二人の悪魔が自分を喰おうとし、高笑いしている姿が
そして、ふるぼっこにされた
鋼糸で縛り上げられる
隣でボリボリポテチ食っている
「……あ、いやぁ……その………アタシこの肝試しのお化け役でしてぇあっはっはっ」
「………」
「皆を驚かすのが宿命?みたいなあっはっはっ」
「………」
「いやぁ…我ながらにやり過ぎちゃったかなって。あはっ、あはははは」
「………」
その頃のアレストとダベラス
「いやぁ、まさかダベラスさんだなんて。心強いぎゃあ!」
「だからなんのフラグ………」
本気で残念がる
だってそうだろう
どんな男でも、青臭い餓鬼より綺麗でナイスバディーな女の子の方が良いに決まっているだろう!
「はー……」
「どうしたんですか?」
「………はー……」
「?」
数時間後
たまたまダベラスとアレスト組のルートが当たりだったのが発覚した。
「やった!」
「スタンプ…?これ、か」
紙にスタンプを押す
柄は玉蜀黍だ
じと目でレヴァナを見る
本人心無しか楽しそうだ
「じゃあ帰るか」
「……」
コクりと頷く
それはそうといい加減離してくれないか。その手
「それにしても今年は去年よりクオリティー高いな」
「ふん…当たり前だ。毎回形を変える…………この遺跡は」
「いやぁ、あっけなかったですねぇ」
「それを君が言いますか?」
「………あ」
「………あ」
アレスト組と鉢合わせする
辺りは緊迫する
アレストが空気を読まずに抑揚の欠けた声で話始める
「セルジオさんのパートナー可愛いですね」
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