1-1




夏と言えば肝試し
だがこの国では真冬にやる

しかも国の主催で

何故国が主催かと言うと歴代皇帝様が祭好きだからだ
だからこの国は一年中祭に尽きない

因みにレヴァナも祭が好きだ
焼玉蜀黍とかイカとか綿菓子とかジャガバタとかさやえんどうが売られるからだ

祭の時は身分を隠して行く
また、肝試しの時も


泣く子も黙る肝試し
冬にやって更に寒さUp
夏にもやるけどあえて冬にもやるのだ

舞台は広大な遺跡
しかもいわくつきだ

この一番奥にあるスタンプを押して帰るのだ
でも道のりは長い

迷宮のようになっている

更に亡霊も出る
自殺スポットでも有名

死んでも自己責任…ではない

そんな肝試しにアレスト、ダベラス、セルジオも参加していた

やんごとない方も参加しているとかどうとか

お化け役は王宮の者+やりたい人だ

今年も多い
どうやら一番始めに戻った者は賞品が貰えるらしい

さぁ、皆!賞品を求めて走り出すんだ!

「あー、あー、マイク調整マイク調整。レヴァナ様、皆様に一言」
「…………焼玉蜀黍!…以上だ」

えー………
焼玉蜀黍って何だよ

確かに売ってるけれどもね
金魚掬いもあるけどね
てゆか手に持ってる金魚は何

三匹居るよ
多分取れなかったよこの人
駄目だよこの人

しかも一番楽しんでるよ絶対

「それではー…位置についてー、よーいスタート!!」

皆一斉に走り出す

一番手にダベラスが居る
二番手がセルジオ
一番後ろがアレスト

スタート時に運悪く押されて転んで踏まれて現在に至る

「く…くそぅ……」

一番と二番の競争は激しい

「さぁ、死ぬがいい!」
「怪我も治ってない餓鬼んちょは指をくわえてリタイアでもしてなさい!リングビースト!」
「ぐぉぉぉぉん!」

巨大な犬のような化け物が現れる
なんつーモンを使うんだこいつは

「貴様…狡いぞ!」
「ピッピー。魔物の使用厳禁。ペナルティーとして1時間移動するのを禁ずる」
「なっ……!てゆかレヴァ」
「…違う!今はレイヴだ」

公正取引委員会登場
参加しつつも不正を取り締まるのだ

これがレヴァナその他諸々の役目だ

セルジオが口をぱくぱくさせている
無理も無い
一番会いたくない相手だからだ

幸にもこちらには気付いていない
いや、違う
気付いているけど他人のふりをわざわざしている

どことなく寂しかった

- 16 -


[*前] | [次#]
ページ:




人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -