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皇族……誰もが憧れ尊敬する皇族

そんなこの国を統べる者、"ステレッド・レヴァナ・カリュブディス"に我々記者は密着した


前日のインタビューではとても嫌そうなお顔をなさっていた
それでも私達は民衆に伝える責任がある
記者である私、ポレット・ギャナンの仕事である


レヴァナ様の朝はとても早い
朝早く起き、軽く組み手をし、バランス良く食物を摂る

午前6時

「ほら起きてください!」
「…………あと5分…」
「起きーなーさーい!!」

ダベラスは布団を引っぺがす
それでも起きようとしない

そう、レヴァナは久しぶりにゆっくりと寝たかったのだ
だが王はそれは許されない
重要な責務があり、休む間もない

民衆を守るため、国をより良くするため導かなくてはならない

でも、それでもやっぱり寝たかった

「………たまには…ゆっくりと寝かせろ……」
「そーしてあげたいですけれど仕事が山積みなので」
「……スー……スー………」
「こらぁ!!」


午前6時20分

王たる者、強くなくては王は務まらない

とは言いつつ魔導師の道を選んだ彼には肉弾戦は少し厳しいものがある
だが泣き言を言ってはいられない

何故なら王だから

「貴様、手を抜いてるな」
「いえいえ、そんなワケないでしょう!」

レヴァナの体を蹴り上げる
流れに乗せて体制を整え反撃する

ダベラスの体が吹っ飛ばされるが壁をクッション代わりにして再び蹴りレヴァナに殴り掛かった

常人では無し得ない戦闘…いや、組み手を繰り広げる


昔は剣すら持てなかったクソガキが随分と成長したものだ
いつか自分を越えるのではないか
そんな風に思った


午前8時30分

ちゃんとした正装に着替える時間だ
王の衣装と言えば褶襟に妙に膨らんだズボンにタイツのようなイメージの方もいるだろう
だがこの方は違う

プライドの高いこの方はそんな格好はしない
「あ゙ー!一般市民みたいな格好はやめてください!そんでもって髪の毛束ねなさい!」
「うるさい奴め…ああ、そうだ。そろそろ後ろ髪が長くなってきたから今度床屋行ってくる」
「おやめなさい。ちゃんと専属の方呼びますからもう少し我慢してください」
「……ふん」

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