▼とある氷帝学園校門前。
「あ〜!丸井君だCー!」
満面の笑みを浮かべてこっちへ駆け寄って来る芥川。
「よっ」
「どうしたの?なんでここにいんの?」
きらきらした目でこっちを見てくる芥川は子犬みたいに可愛くて、つい笑みが零れた。
「今日は俺学校休みだからよ、久々に芥川にでも会いに行こうかなと思ってな」
「本当?!うわ俺めちゃくちゃ嬉しい!」
あまりにも嬉しそうな顔をするので少しいじめてみたくなった。
「ま、仁王達と遊びに来たついでだけど」
「……そうなんだ」
見るからに落ち込んだ様子。コイツ分かりやすすぎだろ…ていうかマジでかわいすぎる。これが胸キュンてやつか。
「なーんて、嘘に決まってんだろぃ」
「…え?」
「仁王達と遊びに来たってのは本当だけど、ついでってのは嘘だよ」
芥川の顔が綻ぶ。あーもう本当コイツかわいい。
「丸井君イジワルだC〜!」
「好きな子ほどいじめたいって言うだろぃ?」
余裕の笑みで俺が言うと、芥川は少し照れた様に頬を染める。コイツは女子か。ま、普通の女子より何倍もかわいいけど。
「んでさ、今から俺はお前ん家行きたいんだけど」
「え!いいけど、いきなりどうしたの?俺の部屋今すげえ汚いC〜!あ、でもこの前買ったゲームすごい面白いんだ!丸井君と一緒にやりたい〜!」
「んー…まあゲームもいいんだけど。」
「なになに?丸井君なんかしたいことあるの?すげえ気になる!」
嬉しそうに喋りだすその口を手で軽く塞いで、芥川の耳元で囁く。
「俺、芥川のもっとかわいい姿見たい」
はじめは意味が分からなかった様で、ポカンと俺の顔を見ていた芥川の顔が急に真っ赤に染まった。やっと俺の言った言葉の意味が分かったらしい。
「まま、丸井君…!」
「行かねーならそれはそれで別にいいぜぃ?俺はこのまま帰るけど。」
「い、いじわるっ!」
そう小さく叫んで芥川が向こうの方へ走っていく。
「おいどこ行くんだよっ!」
どこへ行く気かと思い俺も芥川の方へ叫ぶ
「荷物取ってくるんだC〜!」
こっちを向いてあっかんべーしながら叫ぶ芥川。
本当かわいいやつ。
どんなに寒い冬でもアイツといるとあったかくなれる。これってすげえエコだろぃ。
「丸井君〜!荷物とってきた〜!」
転びそうになりながらもこっちへ走ってくる芥川。寒さで真っ赤になった鼻をつまんでやると、むぐっと苦しそうな顔をした。
さて、今夜はどうやって可愛がってやろうか。
――――――――
おまけ
「おい侑士。あいつら何してんだよ。」
「俺に聞かれても知らんわ。あ、あれジロー帰るんちゃうか。」
「あ!?くそくそジロー!何帰ってんだよ!」
「また俺らが跡部に怒られるんやろなあ…」
「なんで跡部ってアイツに弱いんだろうな…」
「…」
「…」
終われ☆
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