車両の中で
あれは学校を早退した午後1時頃の事。
気温29°、風速0m、湿度…は、確認せず。

真上より少し傾いた太陽の下、日焼けを少しだけ気に掛けながら最寄りの駅へと足を進めていた。

あまり馴染みのない時刻、駅のホームに足を踏み入れると、タイミングを図ったかのように列車がやってきたのでそのまま冷房の効いた車内へ私は乗り込んだ。

よくよく考えれば不自然なほど周りに人の気配は感じず、車両の中ももぬけの殻でした。

しかしながら世間的に見れば大部分の「10代の若者」も「20代からのお兄さんお姉さん方」も、今の時代じゃ当然のように設備された冷房のある部屋で、何かを学んだり仕事をしたり、あるいは炎天下の中で身体を動かしてる筈なので、たまたま誰も居なかったのだと、特に気に止めず、今だけ貸し切り状態の車内のシートに勢いのまま私は腰をかけた。

学校の昼食でお腹は満たされ車内は快適なシートに適度な温度、ゆっくりと微睡みに襲われる。

現実と夢の間をうつらうつらと行き来していたのがダメだったのでしょう。
だから思い込んでいたんです。
辺りが暗くなっても、ピエロが現れても、夢と現実が混同してるだけだと。

トンネルカイツウデース♪

知らない声が聞こえて
視界が暗転して

そして私は完全に眠りに落ちた。
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