こねた | ナノ


檻の向こうには君が居る(青黄/パロ)


「なあ、お前っていっつも此処に居るよな」
「うん」
「なんで?飽きねぇの?」
「飽きるとかそういう問題じゃないんス。オレ、こっから出られないし」
「なんで」
「実験体だから」
「…は?」
「モルモット、って言ってたっけ。よくわかんないけど、薬の開発に必要らしいんで」
「お前はそれでもいーのかよ」
「わかんない。オレに残された道はこれしかないし」
「…顔、やつれてんのに」
「はは、そう?」
「無理して笑うな、見てるこっちが苦しい」
「無理してないよ。きみが来てくれるから、オレはまだこうして笑える」
「…、」
「そろそろ時間だから行くね。来てくれてありがと、…えーと」
「青峰大輝。お前の名前も教えろよ、今度」
「そうそう、青峰っち。オレの名前はK-08って言ったじゃん」
「ほんとの名前だよ。実験番号なんかじゃねぇ、本当のな」
「……ね、我儘言っていい」
「お、おう」
「…また、来てほしい、っス」
「…!」
「…駄目、ならいいから」
「来る!」
「!」
「絶対来る、あーどうせなら毎日来るから、だからちゃんと飯食ってちゃんと寝ろよ!オレに会う為に」
「……うん。ちゃんとご飯食べてちゃんと寝る。青峰っちに会う為だもん、しょうがないっスね」
「ちゃんと出来てたらその次の日も来てやる。だから、しっかり生きろ」
「…はい」


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一般人青峰さんと実験体モルモットの黄瀬君のお話。
青峰さんも黄瀬君も同じ年齢でこの会話は10歳前後くらいだと思います。実は青峰さんがこの施設の跡取りとかだったらいいですね。小ネタのくせに設定だけは無駄にあるという

comment:(0)
2013/01/11 21:44

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