こねた | ナノ


この世にお別れ(青黄)



反政府軍の中でも圧倒的な戦力を誇る、青峰大輝。

政府軍の中で群を抜く成長スピードで成長し続ける天才、黄瀬涼太。


二人が出会ったのは、単なる偶然なのか、それともそうではないのか、

――知る者は、いない。



「…はっ、何だよ?もうお終いか…!?」
「っ、その減らず口、一生聞けないようにしてやる…!」

ガキンッ、と金属が交わる音がその場に響いた。
周りには硝煙の匂いと入り混じって鉄の香りが漂い、崩れ落ちた瓦礫が街の惨劇を物語っていた。

「…あんたさあ、何でオレの管轄んとこばっか狙ってくるんスか?良い加減、っ鬱陶しいっつの…!」
「バーカ、てめえがオレの行く先々に現れるんだろ?ちょこまか着いて来やがって、アホ犬みてーによ」
「――誰が犬だこのっ…!」
「きゃんきゃんうっせーよ、っ!」

ぐっ、と力が込められ、二人の接点である剣の金属部分がガチリと悲鳴を上げる。青峰が黄瀬を押し返し、後ろに突き飛ばされた黄瀬は体勢を整えながら何歩か後退した。

「弱えなー、お前も」
「っ…!」

あからさまな青峰の挑発に、黄瀬はぎりりと歯を噛み締めれば再び青峰に切りかかる。青峰はそれを軽々と受け止め、にやりと口元を歪ませた。

「なー、知ってるか」
「何を、」
「お前んとこのトップ、名前なんつーんだっけ?確か…か、なんとか…」
「…それがどうしたんスか」
「か…かがみ?だっけ?まーどうでもいいけどさあ、そいつ。仲間庇って重傷らしーぜ」
「…!?」

そんな話は聞いていない。嘘、火神っちが…!?
青峰のその一言で明らかに動揺した黄瀬に、青峰は勝機とばかりに剣を持っていない方の手で拳を作り、隙が出来た黄瀬の腹にそれを叩き込んだ。

瞬間、黄瀬の体は文字通り"吹っ飛んだ"。
地面に叩きつけられた後も暫くその固い土地を滑り、ようやく黄瀬の体が止まったかと思えば、血を吐き出しながら咳き込む黄瀬を上から青峰が見下ろした。

「ははっ、動揺しすぎだろ。冗談だよ、冗談」
「ぐっ、は、ぁっ…」
「お前、んな性格だと損ばっかしてんだろ?まーいっか、どうせ此処で終わる命だしな。最後に言うことあるか?」
「…っ、さ…いて…だ、な、あんた……かは、っ」
「あー…いいわ、喋んなくて」

息も絶え絶えの癖に、もう死にそうな癖に、紡がれた言葉は尚も青峰を批判する言葉で。そんな様子の黄瀬に、青峰はすっと目を細めれば冷たくそう言い放ち、持っていた剣を上に掲げた。

「じゃあな、黄瀬涼太。ちっとは楽しめたわ、お前」

太陽に照らされてきらりと煌いた刃に、黄瀬は最後に薄く微笑んで、目を閉じた。



---------------------
どうしてこれが小ネタなのか
もしかすると10000打リクが終わった後にシリーズモノで連載するかもしれないやつです、軍パロずっと書きたかったんです
この後、結局青峰さんは黄瀬くんを殺せないです実は

comment:(0)
2012/11/25 21:13

prev / konetaTOP / next

[ TOP ]


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -