こねた | ナノ


喧嘩するほど(その他/火黄)




オレは相手に意見する事が悪い事だとは思わない。
まあ、遠慮なくずばずば言って意見が衝突して喧嘩したとしても、それだって悪い事だとは思わない。少し面倒なところはあるけれど、一人の意見だけじゃ、物事は進まないからだ。

「こっからオレが敵突っ切って行くから、お前は…」
「だーかーらー!火神っちマジ一人で行きすぎっス!そこはオレにパスしていいっスから、」
「パスしてるとカットされるかもしれねえだろ!だったらその可能性の少ないオレが攻めるっていう方法が一番で」
「そのあんたがボール捕られたらどうすんだよ!」
「捕られねえって!」

ぎゃーぎゃーと言い争いを始める男子高校生二人に、マジバに居るほかの利用者がちらりちらりと目線を送り始める。それに気付いたのは黄瀬で、少し気まずそうにしながら大きく息を吸った。そして吐いて、一度ドリンクを喉に通す。

「……こういうのに付き合ってるなんて、黒子っちも大変」
「なんか言ったかよ?」
「別にー」

はー、と溜め息が零れた。
話が進展しない、なんて思うかもしれないが、これがオレ達の日常茶飯事だった。意見を言って、どうせ違う意見だろうからまたぶつかって、立ち止まって。

「…なあ、さっきのなんだけど」
「ん?」
「此処をこうして、お前がこっちに動いて…んで、オレがパスすりゃ良くねえか…?」
「…あー…!って、最後オレ決めちゃっていいんスか!?」
「別にいーよ。その後またオレが決めればいいんだし」

けれどその後唐突に現れる良い案っていうのは、オレ達がその前まで考えてた意見よりも何倍も良いもので、意見が衝突する前よりも成長出来る。だから、オレは意見をぶつけあうのが悪い事だとは思わない。

「じゃ、今度のストバス大会よろしくっス!オレ、青峰っちのチームだけには負けたくないんで、もし青峰っちのチームと当たることになったらオレが青峰っちに付くっス!」
「お前が青峰のマーク……いや、駄目だろ」
「え!?」
「青峰にはオレが付く」
「ちょ、なんで!?火神っちにはガンガン攻めてもらわないと困るっス」
「だから、お前ももっと攻めろって!ディフェンスはもういいから、青峰のチームと当たるときはお前がオフェンスで…」



悪い事だとは思わないけれど、やっぱり、ちょっと面倒臭いって思ったりすることだって、勿論ある。


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最近の本誌が火黄にしか見えなくて衝動のままに書き殴った結果
ライバルっていいですよね

comment:(0)
2012/11/23 21:39

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