何で逃げるのトキヤ?どうして俺と話してくれないの?俺に触れようとしてくれないの?ねえ、トキヤ、どうして?
(ああ、頭がどうかしそうになる)
ねえ、トキヤ。
(頭に響くのはガラスが割れたような音。気がつけば私は音也のことを押し倒し、不本意なことに隠微な笑みを浮かべていた。今まで我慢してと言うのに、どうして彼はこうも簡単に境界線を壊してしまうのだろう)
「私はあなたを、殺してしまうかもしれませんよ」
「だけどそれも運命だから」
トキヤがそうしたいならいいよ、そう笑う音也の顔は儚げで、思わず笑顔が溢れた。それでこそ、私の恋人です。
境界線を一方的に作るトキヤと、それを気にせずずかずかと踏み込む…音…也…