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イナズマイレブン
愛しているから


 休日、久し振りに俺の家へと来た霧野はふと思い出したように、この前また女と間違われた、と呟いた。それを皮切りに愚痴が続いてゆく。女と間違われることを何より嫌うこの友人は、それをわざわざ話題にすることなど非常に稀であったから、余程怒りが溜まっていたのだろう。
 でも、なぁ霧野。俺はお前を女だなんて思ったことは一度もないよ。お前はずっとずっと男らしかったし、それ以上に男だった。
 男のそばに居たいのなら、普通は女であることを望むのだろうけれど、男と一緒に居ることが許される女は一人だけだ。数十年の間に出会う女の数分の一。その確率の低さを知ってしまったから、だから俺は、私は、男であることを望んだ。霧野が誰か女と一緒になっても、何の遠慮もなくそばに居られる、男であることを。
「なぁ霧野」
「ん?」
「俺たち、ずっと一緒だよな」
 俺がそう言えば、霧野はその整った眉を寄せ呆れたように言う。そんなの当たり前だろ、と。俺と一緒に、私が笑ったような気がした。




―――――
 たっくん可愛いよたっくんってことで。
 男女どちらがいいのかは難しい問題ですよね。

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