「呼んでくるから少し待っていろ」
「ねえクリス」
「ん?」
「どんな人かしら…私、個人的に女の子で有望な子が来てくれると嬉しいわ。」
「あら、私が居るじゃない、ジル?」
「色々と慕ってくれるような可愛い子がいいわ。」
静かに臨戦態勢に入っている彼女らをどうしたものかと思ってレオンの方を見ても彼も肩を竦めているだけだ。…泣ける。
そんなことをしているとウェスカーが入ってきた。
「待たせた。それでは紹介しよう。…入りたまえ。」
「失礼します。」
「失礼します。」
ドアを開けて入ってきたのは大学生くらいの女の子二人だった。片方の子はどうやらアジア系のようだ。二人とも少し緊張した面持ちで敬礼をした。
「今日からこちらの部署の配属になりました、レベッカ・チェンバースです。よろしくお願いします。」
「ミス・チェンバースと同じく本日からこちらの部署に配属になりました、花子・ギオネです。よろしくお願いいたします。」
「ミス・チェンバースは衛生兵として、ミス・ギオネは戦闘員として働くようになる。チームワークを持って行動するように。」
ギオネ、ってことはエクセラの親戚なのか?
「隊長、簡単な自己紹介の時間を頂きたいのですが。」
「いいだろう。」
エクセラの提案にウェスカーが許可を出す。
レベッカと花子は突然提案を出した恐ろしそうな女性をおっかなびっくりと言った様子で見つめていた。いや、花子はそうでもなさそうだな、なかなか度胸のある子だ。
「じゃあ早速。私はエクセラ・ギオネ。まあ、花子は知ってるわね。主に隊長の補佐をしてるわ。よろしくね。」
妖しい(というより怪しい)微笑みを浮かべるエクセラ。
ん?花子は知ってるってことはやっぱり親戚か?
「レオン・S・ケネディだ。普段は偵察とか護衛として動いてる。よろしくな。」
「ジル・バレンタインよ。こっちの彼と戦闘員をやってるわ。よろしくね、二人とも!」
ジルが自己紹介しながら俺を指したので俺も立つ。
「クリス・レッドフィールドだ。ポイントマンをやってる。よろしく。」
二人ははい!と元気に返事をしてから敬礼をする。元気なのはいいことだ。
「クリス、ジルはこちらに来い。他の者は各自仕事に戻れ。」
なんだろうか、お互いそんな顔でウェスカーのデスクに向かった。