Chris | ナノ



「バーキン博士?」
『花子、クリス、すぐにそこから離れろ!ちょっとした手違いで…』
「バーキン博士?ノイズで聞こえません!」
「花子っ!後ろだ避けろ!」

クリスさんの声に反射的に反応して横に転がるように何かを避ければ腕に走る小さな痛み。目を遣れば血が滲んでいた。まさかと思って顔を上げればさっきダディとエクセラが戦っていた大きなロボットの姿が。どうやら何かの手違いで解き放たれたロボットが暴走しているのだろう。
奴はわたしを標的にしたようで、大きな斧を持って近寄ってくる。立ち上がろうとしたら足に激痛が走って立ち上がれなかった。どうやら今躱したときに足を捻ったらしい。その場でマシンガンを乱射したが奴が止まることはない。まずいこのままではいくら殺傷力はないとしても斧を脳天に落とされたら間違いなく死ぬ。
そう思うのに足は動かずにただ震えるだけだ。マシンガンの弾も尽きて、奴はわたしに向かって斧を振りかざす。思わず目を瞑った。
ハイドラを連射しても利かないのかクリスさんは少し焦ったそぶりを見せたが、次の瞬間には彼は走っていて。
わたしの体はふわりと浮いた。恐る恐る瞑った目を開けるとクリスさんに抱きかかえられていた。

「く、クリスさ…」
「よく頑張ったな。後は俺が引き受けるから足のケアをしておけ。」

優しく笑われて、胸の真ん中あたりがきゅっと締め付けられる。やっぱりかっこいい、なあ。
少し離れた建物に避難させられて、すぐ終わらせるから待ってろと言い残してクリスさんは走っていく。ポンポンと撫でられた頭に大きな手の感触が残った。


あ、れ?これ、何処かで。




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