Chris | ナノ




花子の母親は花子が幼い頃から家庭を顧みずに他国で研究に没頭しているような女性で、花子の面倒は父親が見ていた。
父親は優しい人だったらしく、彼女は父親が大好きだった。
花子が10歳のとき、突然母親が日本に帰ってきた。なんでも新薬を開発して夫、つまり花子の父親に飲ませるためらしい。
彼女の父親は体が弱く、治らない病を抱えていた。だから母親は彼の病気を治すために外国で研究を続けていたのだという。
しばらくの間花子は父親と引き離されたが、父親の体がよくなることを期待して待ち続けた。

2ヶ月して父親は彼女のところに帰ってきた、物言わぬ姿で。
母親が開発した薬が合わずに亡くなってしまったらしい。

花子は呆然とした。10歳の少女の小さな体では自分が唯一頼れる人間である父親の死はとても受け止められるものでは無く、ショックで口が利けなくなったという。
しばらく母親と暮らしたあと、彼女は突然逃げ出して、街を徘徊した。今まで育児をしなかった母親は花子に興味が無かったらしく面倒を見なかった。

ある夜、花子は偶然日本に来ていたウェスカーと街で出逢い、ウェスカーとエクセラの娘として生きることになった。




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