Chris | ナノ




「所長のデスクに入っていた書類です。」
「ああ。」

歩きながら計画表と書かれた表紙をめくって本文に目を通す。その内容に思わず立ち止まった。隣を歩く花子が怪訝そうな顔でこちらに歩いてくる。
黙って書類を手渡すと、黙々と読み始める。速読でも出来るのか、5枚の書類をあっと言う間に読んでいく。
最後のページに近付くにつれてだんだんとその表情が青ざめていくのが分かった。

「ジョッシュさんに報告した方が!」
「ああ。」

無線を手に取る。

「アルファチーム応答願う。」
『こちらアルファチーム。』

聞き慣れたジョッシュの声だ。おそらくまだ村に向かっている最中だろう。

「ジョッシュ、今村に向かってるんだろう?急いでくれ、今から1時間後に村にウイルスを放つ計画が立てられている。」
『なんだって!?分かった、間に合うように走らせる。本部への報告は?』

俺から離れた場所で本部へと連絡をとっていた花子が連絡を切って、頷いた。

「報告はこちらからしてある。作戦報告の許可もとった。」
『了解。』

無線を切って、奥へと進む。恐らくこの奥は実験室だ。その奥には所長室がある。



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -