Chris | ナノ



緊急事態だ、プラーガが残ってないのを確認してから花子たちが居る場所へ走った。


彼女たちが出たと思われるドアを開けたときにはもう銃声は止んでいた。
ざわざわと人々のどよめく声や叫び声が聞こえて、そちらへ走った。

行ってみると人々がぐるりと輪を作っていて、その中心で花子がしゃがみ込んでいた。
近くにはプラーガを潰された民間人が倒れている。おそらく花子がやったのだろう。

「花子!」
「く、りす、さん。」
「どうした、顔が真っ青じゃないか!」
「ごめんなさい、わたし、」

彼女の背中をさすってやりながら、村長に話を聞く。

うまく逃げおおせることは出来たが、村人の中に注射された者が混じっていたらしく、俺が無線で交信を始めたあとに時間差で現れたらしい。花子は冷静にプラーガをしとめたらしい。が、倒した途端に地面にしゃがみ込んでしまった。

『俺たちの知り合いだったもんだから、俺たちが結構取り乱しちまってなあ…』
「分かった、少し時間をもらえるか。村まで安全に送り届けるから。」
『ああ、大丈夫だ。』

花子は小さく震えていた。まさか、

「花子、実戦経験は?」
「人相手になら、一度だけ…」
「プラーガは初めてか。」

こくり、と頷く彼女。参ったな…こんな場合はどうすればよかったんだろうか。俺が初めてゾンビを見たときは、どうしていたっけか。…無我夢中で生きることを考えてたから気にならなかったんだろうか。

「ごめんなさい…あの、」
「いや、誰でも始めはそうだからな。ゆっくりと深呼吸してみろ。」

深呼吸をすると少し落ち着いたらしい。立ち上がろうとしてよろけたので支えてやる。

「大丈夫か。」
「はい、時間を割いてしまって申し訳ありませんでした。」
「気にするな、とりあえず彼らを村に送り届けるぞ。」

花子は村の人々を待たせてしまったからか、彼らにも頭を下げていた。律儀な子だ。



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