Alfred | ナノ


「花子、着いたよ」
「うん、アルくんありがとう」
「構わないよ、隣の家だし。花子は軽いからね!ちゃんとご飯食べてるかい?」
「食べてるよ!アルくんが…」

重いだけだよ!と言うのは堪えておいてあげた。この前ちょっと太った?と冗談で言ったら本気でうろたえていたから。ハンバーガーを五個から三個ぐらいに減らせばいいのに、といつも思う。でもまあハードな練習をするとお腹が減るから五個ぐらいは入ってしまうものなのかなあ、なんて思いながらアルくんを見送る。まあお隣さんなんだけど。

窓を開ければわたしとアルくんの部屋はいつでも見える。そこを通してアルくんがわたしの部屋に来たり、寝れない日は二人でひそひそ話をしたりしていた。流石に大きくなってからはしなくなったけど、でもたまに今でもアルくんは部屋に遊びに来る。テスト勉強に行き詰ったときだとか。でもわたしもその時はテスト勉強をしてるからアルくんはひたすらわたしのベッドに腰掛けてボーっとしている。

そんな話をクラスの仲良しの女の子に話したら信じられない、と言った顔で見られた。普通高校生にもなったら幼馴染だとしてもお互いの部屋には行ったりしないのだと、そう笑われた。あと、その子はアルくんのことが好きらしい。だからわたしになりたい、とも言っていた。それはなんとなくいやだと思った。アルくんはわたしのヒーローだから。

「付き合ってるの?」と聞かれたことがある。もちろん答えはノーだったんだけど。男の子と付き合うなんて考えられない。もしその相手がアルくんだったとしてもだ。それにアルくんだってわたしをそう言う対象としてみてないだろう。だってわたしお世辞にも可愛い方じゃないし、その、胸も大きくないし。アルくんは胸が大きい女の人が好きなのだと誰かから聞いた。なるほど確かにアルくんとよく話している美人なバスケ部マネージャーさんは胸がおっきいし背も高い。わたしとは大違い。
あの二人、付き合ってるらしいよ。
なんてクラスメートの言葉がよみがえってなんだか切なくなる。何に対して?わかんない。

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -