私の選ぶべき道は何処なのだろうか。私の居るべき場所は、行きたい場所すらも分かっていない私は、まだ何も選べずにいる。


カッと照りつける暑い暑い日差しと、周りから聞こえてくる大きな話し声が響く。空を仰げばそこには広がる青があるけれど、この地方では砂漠とお昼時の気温の高さで全然涼しいと思えない。でも、今日も商品を売るために頑張らなくては!私は息を大きく吸い込むと、口から大きく吐いてこの暑さを落ち着けた。

ライラとサアサは相変わらず元気だなあ、この暑さでうだることなく次に売る物の荷確認をする二人には恐れ入る。って、そんな場合じゃないか、私も荷確認を手伝わないと。


「ライラー!サアサー!私あっちの荷確認してくるねー!」

「分かったー!」

「気を付けてね!」



はぁーい!と元気よくお返事をして、馬車の方へ二人より先に歩きだす。確か中は西瓜だったかな?ゆったりとした足取りでその西瓜が入っている馬車の荷車を覗き込む。あれ?なんかいる。


手っ取り早い方法は実力行使だな、とライラを呼んで一発かましてもらった。ナイス!小さい男の子には可哀想だったが、泥棒なら致し方あるまい。その子の深い海のような三つ編みが揺れた。



 − − −



「ナマエおねいさん、どうしてそんなに距離を取るんだい?」

「いや、あの…青いでかい腕怖いよ?」

「ウーゴくんは怖くないよう!とっても優しいから大丈夫!」

「…頑張る」



隊商の打ち合わせ中に、わざとらしくアラジンから距離を取って話を聞いていたらバレてしまった。ウーゴくんという腕だけの方に優しさはあるのだろうか…善処します。

と、そこでライラが3番路に行くのを頑なにやめたほうがいい、と言っていたら、何やら柄の悪そうな男が二人。私達隊商のみんなに好きな事を言って、皆がそれを信じてライラを拒否した。どうしよう。正直、私はどっちを信じていいのか分からない。

悩んでいると、サアサ達が去って行ってしまう。ぐるぐると脳を循環する思考にはいつも出口が見つからない。私は立ち尽くしてライラが歩きだそうとするのを見ていると、アラジンがこちらへと歩いてきた。



「おねいさんは、どっちにも行かないのかい?」

「分かんないんだよ…どっちに行っていいのかも分からない」

「そっか、お姉さんは、大事な事をしっかり考えて選択する人なんだね」



髪の色と同じ、海のような瞳のアラジンが言った言葉が、胸に浸透するのを感じた。そっか、そうだったのか。ありがとう、答えを教えてくれて。胸にかかっていた靄が取れる様に、急に脳がクリアになった。

今の私なら選べる。さあ、ライラの元へ行かなくては。私はアラジンの手を取って、風を切りながらライラの背中を追い掛けた。








「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -