13/ページ



「また会おう捜索者」
…まぁ必ず、また会うだろうがな
そう言って目の前にいた彼は溶けるように消えた。
「涼華!!」
「涼ちゃん!!」
数秒遅れて恭平と陽菜が階段をかけ上ってきた。
「涼ちゃん大丈夫?」
陽菜がまだ座り込んだままの私に声を掛ける。
けれど私は話すことどころか身動きすら取れない。
「急に電話通じなくなったから焦ったぜ」
「その後に恭ちゃんが涼華がヤバい!!って騒ぐから大変だったんだからね」
「いきなり喋らなくなったら焦るだろ!」
「恭ちゃんは基本的に大袈裟なの!今回は実際大変だったけど!」
「…ねぇ陽菜」
「あ、どしたの涼ちゃん。大丈夫?」
「…人って溶ける?」
ようやく絞り出すように出た言葉に返ってきた返事は「…はい?」だった。