七夕3 | ナノ




そういうと恭平は陽菜がまとわりついてる方とは逆の腕にまとわりついてきた。
こっちは可愛くなかったから振り払っておいた。
「これに願い事を書けと言いたいんじゃないのかい?」
一連のやり取りを見ていた慶さんが言う。
「…そういうことなんですかね」
「だってほら、その笹に短冊が何枚かついてる」
慶さんが指差した方を見ると確かに短冊がついてた。
手近な高さの短冊を読んでみると[俺のことを名前で呼んでくれますように]と書いてあった。
もしかしなくてもあのドS教師だろう。
「その短冊が一番まともだったんだぜ?他にも何枚かあったけど全部陽菜が破り捨ててた」
ものすごく想像しやすい光景に思わず笑ってしまった。
「さあさあ、早く書きたまえ!!」
「あんたねぇ…」
「慶君と私も書いたのよ」
クスクス笑いながら言う瑞希さんの手には、二枚の短冊。
「ちなみに私と恭ちゃんのはもう吊るしてあるよー」
そう言った陽菜はまだ私の腕にしがみついている。
はいはい分かりました。
仕方ない、というような表情を作ると(それでも慶さん曰く楽しそうな顔だったらしい)願い事を書くためのペンを探した。

([この時間が何時までも続きますように]なんて)
(織姫と彦星は叶えてくれるかしらね…?)




星よ






1日遅れの七夕。
雨が降ってて星は見てません


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