懐古(秋宮) | ナノ






最初は女の子だなんて思ってなかった。
雰囲気とか服装とかがあんまり女の子っぽくなかったし、小学生になるまでずっと男だと思ってたんだ。
それに最初に会ったときに名前聞いたら『…りょう』って答えるし、おばさんもお前のことりょうちゃんって呼んでたからお前の名前が『涼華』だったことにすげぇびっくりしたんだよ。
だって『りょう』って名前の男だと思ってたやつが『涼華』っていう女の子な名前だったなんてさぁ。

俺がそこまで言ったところで、『涼華ちゃん』はため息をついた。
「小学生になるまでわからなかった…って、じゃあ4年近く私を男だと思ってた訳だ」
「うん、そうなるね」
「もっと早く気付きなさいよ」
「違う幼稚園だったからさ」

そういう問題?とけらけら笑うのを見て、普段からそういう顔をしてればもっと早く性別が分かったのにと思った。
まぁ言えば怒るだろうから言わないけどね。
「あぁ、それでああいうこと言った訳ね」
「へ?なにが?」
「5歳くらいのときだっけ、『ぼくのとこにお婿さんに来てよ!』って言ってたじゃない」
「うえぇ!?俺そんなこと言った?」
「言った言った。私女だから婿にはなれないし、そもそも普通は嫁を貰うものだろって思ったけど、なるほどそういうことだったのね」
またけらけら笑う。
「…じゃあ嫁に来ませんか?」
「今度のテストで1位だったら考えてあげる」
「…努力します」






懐古

(懐かしさとこれからと)

出会ったときの思い出話





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