5.大人しいとなんだか寂しいです(……気のせいでした!)
いつもの声がしない。
それだけで寂しいなんて思ってないから。
「なんや、いつも休み時間になったら騒がしい白石が大人しいわな」
「そうだね」
「お前冷たいやっちゃな!気にならんのか?」
「静かでよいではないか」
「謙也君、この子これでも気にしてんで。口調変やし」
「…そうなんや…」
別に寂しくなんか……
心まで嘘つけないよね。ホントは寂しいよ。
なんだよやっぱり冗談だったんだ。
それとも私に飽きたのか。
「…なぁ、白石……」
「やっぱり白やな」
「はい?」
「お、丁度ええとこに。お前はドレスはやっぱり白思うやろ?」
「えっと…なんの話?」
「将来のウェディングドレスを考えてたんや」
「誰の」
「お前の♪」
「誰と結婚?」
「俺に決まっとるやん!」
「…」
「やっぱり子供は2人欲しいなぁ…」
「…」
「俺とお前の子なら可愛え子が出来るで☆」
「死にさらせぇぇぇぇ!!」
ガターーーン!!
ちゃぶ台返しならぬ、机返し。
白石の机を返し白石も吹っ飛んだ。
「お、おい!なんでもやりすぎやろ!」
「うるさい!あ〜もう!寂しがった私を殴ってやりたい!こんな変態がそんな大人しくなるわけないでしょ!」
「寂しかったんや?可愛えなぁ」
「知らん!」
呆れる。あれは錯覚だったんだ。
そうだよ、私がアイツに心を許すわけないんだから!
…気のせいなんだから!
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