2.カードで一括払い





今、私は何故か会長と買い物をしている。
何故かというと、よくわからないけど、会長の椅子を買うんだとか言ってた。なんで私が付き合わなきゃならんのだ…とか絶対言わないけどね!




「で、気に入るのありました?」
「残念だがないな。まぁこんなところに俺様に合うものがあるとは思わないがな」



そりゃぁこんな大手のデパートでも大財閥に合うものは少ないはずだよ。
イギリスとかから特注の頼めよ。



お気に召すものがないので帰るぞ、と言われて行こうとした会長を私は止めた。

「ちょっと会長、せっかく来たんだし少し見ましょうよ。なんなら先に帰って構いません」
「…いや、付き合う」


なんで付き合ってくれたのかはさておき、私は滅多に訪れない場所だけあってはしゃいでいた。

庶民には手の付けられない値段ですからね。良くて分割払いだ。




「あ…」



目の先にはまるで童話のお姫様でも座りそうな可愛らしい椅子があった。

私も腐っても乙女、可愛いものには目がない。

周りの目を気にしてコソッと座ってみる。



「うわぁ…なんかお姫様気分?何やってるんだろ私!」
「何してるんだお前」

一人でキャッキャッしていたらいつの間にか会長がいた。



「かかかかか会長…!いや、これはお姫様気分を楽しもうと……はっ」



正直に出してしまった!

顔から火が出る思いで会長を見ると、何かを考えていた。




「あの…?」
「よし、決めた。これを買うぞ」
「!!?」


会長にこんな趣味が!?


「お前にやる」
「はい?」


勘違いでよかった。…ってそうじゃないだろ!



「なななんで!?」
「お前は副だからな。俺様の次に偉い。だからその資格がある」
「でもこんな高価な…」
「お前個人じゃないんだ、しかも大した価値じゃないからな」
「うわー…金持は違いますね…」





そして彼が手から出したのは…


あの有名なブラック?あのお高いと名の知れるブラックカード。


カード一括か…さすがだ…



「どうだよ、お姫様気分は」
「え?まぁ…いいですね」
「フッ。では、お手を拝借…お姫様?」
「か、からかわないでくださいよ!」




翌日、王の椅子の隣に女王の椅子と呼ばれるものが出来たと噂がされた。






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