呼び出しA
あれからビクビクしながら1週間。なんもないからホッとしてたら油断しました。
「アンタが白石莉子さんやな?」
「そ、そやけど?」
「私は四天テニス部を愛でる会会長、神無月。通達は聞きましたよ…」
「はぁ…」
「財前君に近づいたアンタに制裁を与えなアカン。覚悟し」
いやああああ!!何この方!
腕が鳴っとる!
「アンタみたいな一般人に財前君は似合わない。これ以上近づいたら…どうなるかわかるやろ?」
「だからって仲良くする権利をあんた等に言われる筋合いありませんけど!」
「…生意気や」
冷たい瞳を向け私の頬を一発。視界がグラリと傾く。
この一撃は効いたわ…痛い。
「なんで、アンタ等に自由を奪われなアカンのや?テニス部が可哀想やわ」
「アンタじゃ似合わん言うたんや!幼馴染みの何が偉いんや?」
「関係、ないやん。アンタは何か勘違いしとるみたいやけど、皆とは離れられないんや私は」
「なんやと!?」
この人、なんか武術でもやってるんやろか?
今の一撃は…アカン。世界が歪んどる…
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「お前、ここまでしたら黙っとらんぞ」
「!白石君!?」
「ソイツに何さらしとんじゃ」
「だって、白石君達に近づいたから!」
「アホか?ソイツの苗字、言うてみ」
「…っ!まさか!?」
「せや。俺の妹、よくもこんなにしたな?」
「ご、ごめ…っ」
「なんやよくわからんけど、会の奴らに言うとけ。“俺の妹に手出したらシバく”」
「ひっ…!」
小春からコイツが呼び出されたって聞いたから来てみりゃ…何しとるんやお前は。
しかもあの女だって聞いたら尚更や。
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