多角形の始まり






「うぅぅぅぅぅぅ…」
「何呻いてるんやリコ」
「なんか一年経ったのになんも変わってへんのや…」
「なんもしてへんからや」
「したもん!…失敗に終わっとるけど」


そうなんです。一年経ったのに……


私と謙也先輩の関係変わってないやん。



「な、光!手伝ってや!」
「なんでや。面倒」
「ええやん!幼なじみやろー」
「幼なじみはそんな当然の如く手伝ったりせんのや」
「なんやと」
「今知ったみたいな顔すんなや。…そうやなぁ…手伝ってもええけど」
「え、マジで…って何その手」


私の前に手をgood…じゃない。その手の意味は…




「銭や¥。世の中金や」
「きぃぃぃ!意地悪!」





****


しかし、誘惑に勝てなかった私は……やりましたとも。






「じゃ、早速デート誘ったり」
「いきなり難易度高ぇぇぇぇぇぇ!!え、何?私にそんな度胸が…」
「ごちゃごちゃ言わずにやれや」
「鬼…」




そんなわけで、Let's謙也先輩探し!と思ったら廊下に発見!



「よし、まずは声をかけ…」
「なんばしとっと?」
「うぎゃああああああ!!」
「一々リアクションが激しいでお前。耳痛いわ…つか千歳先輩やないですか」


私が意を決して行こうとしたら背後から、しかも耳元で声をかけられ驚いた…


「うわ!ジャイアント!!」
「その反応酷かねー財前に莉子ちゃん何しとっと?」
「か、かかか関係ないやん!あっち行けや!」
「何慌てとんねん」
「だ…だって光ぅ」
「俺は莉子ちゃんが好きなんたい☆」
「あーだから避けとるん…つかコイツのどこがエエんですか」
「可愛いし、俺のヒーローばい!」
「………意味わからん」
「つか、光と知り合いってことは…」
「「テニス部」」
「ですよねー」


この連鎖どうにかして…
なんかテニス部と縁有りすぎやろ私!



「…あのー俺もさっきから居るんやけど」
「謙也先輩!?」
「あ、丁度ええとこに。謙也さんコイツが…」
「わーわー!!言わないで!」
「…そういうことなんね?なら…邪魔するばい♪」
「ちょ、千歳千里てめぇ!!」
「リコちゃーん、仮にも先輩やでー?」






千歳先輩に遠慮はいらんわ!邪魔するなら許さんし!




つか、誰か助けてや!








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