悪魔、悩む




翌日、赤也は机に顔を伏せて考えていた。
『ごめんね、期待させたみたいで』

なんか上手い話だと思っていた。
まだ出会って間もない彼女が、俺を好いてるなんて…有頂天になっていたんだ。

「はぁ〜…」
「何暗い顔してんだよ赤也!」
「丸井先輩…、元はといえばアンタのせいでしょ!あんなこと言われなきゃ…幸せだったのに…」
「アホか!言わなきゃ言わないでお前がとんでもないことやらかしそうだったからな!」
「…う。返す言葉もねぇ…」
「ま、そう言うなよな。気晴らしにケーキ食いに行こうぜ!」

今の気分では食べる気にもならない。
そこまで落ち込むのにはもう一つわけがあった。

昨日のあとに、体調を崩したらしく、今日は沙耶は学校には来ていないという。

「…心配なのか?」
「当たり前ッス!」
「じゃあ見舞いに行くか?」
「え!?」
「一応、そのために来たようなもんだぜぃ」

ニッと笑って地図が書いてあるメモを見せるブン太。

「行きたいッス!」

そんなわけで二人はお見舞いに向かう。
部活?部活は幸村のお許しは出ているので問題ない。

「さすが幸村君だぜ!わっかる〜♪」
「今は本当に神に見えますよー!」

沙耶に会える喜びに顔が緩んでしまいそうになり、抑える。

「にしてもよ、城山は、“自分が好きになりたい”って言ってたよな」
「…そっすね」
「なんでなんだろ?…ま、お前が惚れさせるしかないってことだな」
「もちろんッスよ!絶対射止めます!」

相手がその手なら、アグレッシブに攻めるのみ。闘志を燃やす赤也に、応援するブン太。


「絶対射止めますよー!!待っててください沙耶さん!」






- 7 -


[*前] | [次#]



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -