天使、勘違い




「沙耶さ〜ん♪」
「切原く…」

ぎゅぅぅぅぅ!

いきなり沙耶に抱き着く赤也。その光景は未だにクラスメートの目に毒。

「いいなぁ切原…城山さんに抱き着けるなんて…」
「羨ましい!!」

「…いつまで勘違いは続いてるんだ?」
「知らん。」

そう、まだ勘違いは続いていた。
沙耶には恋愛感情はない。つまり赤也の一方通行。

「もう…いつも思うけど、そんなに私に会いたかったのかなー?」
「だって大好きなんすよ!」
「好意を持ってくれるのは嬉しいな」

なんだか見てられない感じがして、痺れを切らしたブン太は赤也に言った。

「あのな赤也…お前の好きと、城山の好きは違うんだからな!?」
「ぶ、ブンちゃん…」
「…へ?」

ぽかん。

「気付けアホ!城山、悪いがコイツの好意は、恋愛感情だからな!」
「え?そうなの?」
「…そっす」
「あー…ごめんね、なんか期待させたみたいで。結構言われたから免疫なくて」
「ち、違うんすか!?」
「ごめんね?」

一気に落ち込む赤也。慰める仁王。

「…私は好かれるより、好きになりたいから…」



#nameは#悲しく、呟いた。





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