悪魔、心酔
あの日は人生で奇跡だった、と思いたい。
だって彼女はまさに奇跡だと思う存在で、眩しす…儚く脆く見えた。
「まさに奇跡!運命ッスよ〜!」
「メロメロじゃな、赤也」
「わかるけどよ…凄い心酔してるよな」
この思いをない辞典を引っ張って出てきた言葉で繋ぐ。
だって伝えたい。言葉にしてこの思いを…
いつか彼女に。
「マジで美人ッス…あぁまた会いたいなぁ沙耶さん!」
「俺達同じクラスだけど…あんまり見たことないよな」
「確かに見たことないのぅ」
「!?」
慌てて立ち上がる。
慌てて立ち上がる。
だって今サラッと羨ましいこと言ったよこの人等!
「先輩達!沙耶さんと同じクラスなんすか!?」
「そうじゃ」
「なんだ知らなかったのかよぃ」
「聞いてないッス!凄く羨ましい!!」
「ははは、もっと羨め!…つか、そんな自慢じゃないし」
「話せる奴の方が自慢になるからの」
「え、じゃあ俺って凄いんすか?」
マジかよ…!
でもそんな自慢なんてミーハーな気持ちじゃない。俺の気持ちは本物なんだ…!
「そうじゃな、赤也は自慢になるぞ。まぁ幸村もアイツと仲が良いがな」
「さすが…幸村部長…ガクッ」
「気を落とすな!応援してやるからな!」
まだまだ道のりは長いってこと。
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