悪魔、託される




沙耶さんが保健室に運ばれた。
それからも何故か目を覚まさないため、病院に搬送された。

俺のせいで…


次の日は休みだったから様子を見に病院に向かった。

「えっと……あ、あった!城山っと…」
「あれ、赤也?どうしたんだ?」
「部長!部長こそどうしたんすか!」
「俺は健診ついでに城山さんのお見舞いだよ」
「もう見舞ってきたんすか?」
「そうなんだけど…まだ目が覚めてないみたいだ」
「そう…なんすか…」
「…赤也、少し話をしようか」







そう言われ、部長に着いていき屋上に出た。

「実はね、城山さんは昔、入院していたんだ。」
「いきなりなんすか!?」
「いいから聞いて。…彼女はある人を想っていたんだけど、彼女はかなり心が不安定になっていてね。彼が支えだったんだ」
「…」
「手術の日、不安で不安で…でも彼は居なくて」
「!?なんでッスか!」
「用事で手術に間に合わなかったみたいでね。錯乱していた彼女は抑えが効かないほど暴れて、危なかったんだ。」
「…沙耶さんが…」
「手術は成功したけど、それでわかってしまったんだ。自分には大切な人に依存してしまうということ。側にいつでも居てくれると思ってしまうから」


語られた真実。
彼女が大切な人を作らないのは、支えに依存してしまう自分を抑えるため、だと部長は言っていた。

「そうだったんすか…でも、なんで俺に?」
「赤也は城山さんを大事にしてくれそうだからね。それに…」
「それに?」
「俺は彼女には笑っていて欲しいんだよ」
「ぶ、部長…!!」
「ふふ、もっと感動してもいいんだよ♪」
「台無しっす!」

話を終えると、用事が終わったから帰ると言って、部長は去った。
俺は、病室に向かった。




俺だって、沙耶さんには笑って欲しいし、側にいたいから。







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