悪魔、男の性
「またやられちったぁ…」
また、デジャブだと思うか運命なのか。
真田副部長に派手にやられたぜ。
でもいいんだ…今の俺には救いの女神がいるから!
「待っててください、沙耶さん!」
愛しの女神がいる保健室に近づくにつれ、俺の鼓動は早くなる。これって恋の病なんじゃねーの?
「沙耶さんー…!?」
「ん?あ、赤也」
「何してるんすか!!?」
入ると、そこは神秘の領域…じゃない、今の俺の目に入るのは沙耶さんの…露な姿。
「は、はははは早く着てくださいよ!!!」
「…そんなに慌てる?そんな恥ずかしがってたら男になれないよー?」
だって目のやり場に困るし!
着替え中だったようで、シャツを着ていない状態だった。そりゃもちろん思春期の健全たる男子として興味がないわけじゃry
「あはは、そうだよね。ごめん困らせて」
「うー…」
「ちゃっかり指の隙間で見てる?なんてね」
「俺だからいいものを…そんなの他でもやってるんすか!?」
「やるよ?…診察で」
「それは状況が違いすぎます!ちなみにバストいくつッスか」
「どさくさに紛れて本音漏れてる…ついでに鼻血もね」
「…うわっ!」
思わず本音と鼻血が出てしまった。情けないな…
沙耶さんは無邪気だし、俺は彼女の前だと余裕がない。
「で、今日はまた?」
「そうッス。ビンタされました」
「頬赤いよ、待ってて」
直ぐ様冷やすものを持ってきてくれた。
やっぱり気が利くってプラスだと思う。
「…私ね、将来看護師になりたい」
「いきなり!?」
「赤也がそんな風に思ってる気もしたから」
「…実は思いました♪」
ナース姿の沙耶さん…まさに白衣の天使!
しかも可愛くて、色っぽいんだろうな〜…
ホント、俺はゾッコンだと思うよ。
「赤也が思ってくれるなら成れる気がする。ありがと!」
「へ?それってどういう意味…」
キーンコーンカーンコーン
「…」
「…」
「もう、そんな時間なんだ…ごめんね、私これから用事あるの。またね?」
そう言って俺に駆け寄ると沙耶さんは、ビンタされた頬にキスを落として「ファイト!」と言って帰った。
俺、沙耶さんに振り回されっぱなしだ。
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