その後の二人
あの後は大変でした。
周りの視線に私は凄く恥ずかしかったし、でも若くんが「見せつけるため」と言って離してくれなかったのです。
私が女であること、雫が男であることはもちろん問題になり、騒がれることになりましたが、跡部会長と先輩達のおかげもあり、理解してくださりました。
今では普通に女子として生活し、雫と言えば、女子のファンがたくさん出来て、目立つこと大好きな雫は喜んでいるわけです。
長太郎君曰く、「要は可愛いから日吉がいつも気が立ってるよ。周りが敵だらけだって」と言ってました。
私には若くんだけなのに。若くんが女の子から人気あるのが妬けちゃいます。
「そういえば要、なんであの時女子の恰好を?」
「気づきません?チョコを渡して決意したんです。女の子の恰好をして告白するって」
「そういうことだったのか…」
それに付き合って雫も男になる!って言ってました。
「別に男装しててもお前は俺の好きな要だった。でも…やっぱり今の方がいい」
「そうですか?ふふ、こんな風に歩けるなんて想像しませんでした」
「…さ、これからデートに行くか」
「放課後デートですか?いいですよ、行きましょう」
今、私は幸せです。
だって好きな人の側に居られるなんて、それほどの幸せはないですから。
「若くんに再会出来てよかったです」
「そこは出会えて、だろ?」
「そうですね…」
出会いが運命だったのかもしれません。
そして、こうして再会出来たのもまた、運命に違い有りません。
fin
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