私の辿り着いた答えです
初めは、私の軽い気持ちだったと思います。
強くなった私を見て貰いたくて…
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要が音信不通になり、1ヶ月が経った。そろそろ先輩達の卒業だというのに、それよりも気になるのはアイツのことだ。
「…要」
「大丈夫だよ、信じてるんだろ?」
「まぁ…」
「おい、見ろよ!外に誰かいるぞ!」
今更そんな驚く出来事があったとしても興味はない。
例え、凄い腕っぷしの強い奴が現れたとしても…美人が来たとしても………
「…日吉!あれ…」
「?」
鳳がどうしてもと言うから外を見ると、予想通りの女子が転入…と思った。けど、俺にはわかる。
あれは………
「…要?」
心配で、会いたくて。求めていた人がそこに見慣れない姿をしていた。
隣には美少年。あれもわかる。雫だ。
「お姉ちゃん、行こうか」
「…はい」
雫はこちらを見て、大声を出した。
「日吉若ー!!!表に出ろー!」
「ご指名だね、日吉」
「…あの馬鹿」
呆れても、俺の足は動く。
彼女の元へ。
「お久しぶりです、若くん」
「あぁ、お前…どうしたんだ?」
「この恰好…可笑しいですか?」
「い、いや。むしろ………似合う」
元が綺麗な要は、何を着ても綺麗だった。
前に写真で見た、髪が長く、氷帝の女子の制服を着ている姿が新鮮だ。
「この髪は、カツラなんですよ」
「カツラって…まぁ短期間でそんなに伸びるわけないからな」
「少しでも女の子らしくしたくて…」
「やっぱり長いのも似合うし…綺麗だ」
「へ?あ、ありがとうございま……、っ!?」
本物ではないものの、彼女の一部と思うとなんでも愛しくなる。
「は、離してください…あの、話がしたいので」
「…しょうがないな」
真剣な眼差しで語り始めた。
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