彼女の行方





あの要の言葉…

『何があっても心配しないでください』


その意味がわかったのは、次の日だった。






「え?」



教室がざわつく。何故なら、あの真面目な要が欠席。

クラスの奴等も驚きを隠せないらしい。



「え!?それ本当なの!?風邪とかじゃないの?」
「いや、先生も詳しくは言ってなかった」
「要…どうしたのかな…」
「雫は来てないのか?」
「あ、そういえば…来てないみたいだよ?」



二人揃ってとはまた可笑しい。
一体どうしたんだ?



「跡部さんに聞いてみよう」
「あぁ」



あの人のことだ、何か知ってるに違いない。
……と期待したんだが…


「さぁ、知らねえな」
「跡部さんでも知らないなんて…」
「…まぁ知ってたとしても俺は話さないがな」
「!?どうしてですか!」
「熱くなるなよ日吉。これはアイツの問題なんだろうさ」
「…っ」


確かに、何かあるならアイツの問題なのかもしれない。

でも好きだから、気になる。



その夜、俺は電話を掛けてみた。


『はい、須藤です』
「!…要!!」
『若くん、どうして掛けてきたんですか?』
「…えと」
『…私も、出ないつもりでしたけど…人のこと言えませんね』
「なぁ、なんで……」



なんで、なんて聞いちゃいけないだろう。
跡部さんの言う通り、口出ししてはいけないのに…俺はなんて子供なんだ。



「いや、聞かない。」
『……』
「…待ってるからな」
『はい…ありがとうございます』






待とう、答えはその時に聞くんだ。

俺の気持ちも、その時なんだろう。






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