雪が原因というわけじゃありません




「今日は一段と寒いな…風邪引くなよ」
「お気遣いありがとうございます♪」
「なんだか凄い熱々だねぇ。羨ましいな〜」
「茶化すな鳳」

班に分かれスキーをしていた。
運動神経バリバリな三人は余裕でクリアしていたのだった。

「ホントに風邪には気を付けてね」
「はい」

****

「…なのに、どうしたんだよ要」
「ちょっと…湯冷めしてしまったみたいで…はぁ、すみま、せん」

あんなに注意したのに湯冷めをしてしまい、熱が出てきたみたいだ。

「俺、先生に言ってくるよ」
「…ぇ、一人に…しない、で…」
「//いや、そうしたいけど…もう少ししたら日吉も来るしさ、待ってて。ね?」
「…うぅっ…わかりま、した…」

病は人を心細くするというけど、誰にでも甘えたくなるんだな、と思った。

しばらくして、寝てしまった要。そこへ部屋に戻ってきた…神山。

「おぉい!…あぁ!こんなに辛そうに…須藤…」

顔が赤く、息が荒い様子の要を純粋に心配する神山。

「………キス、しちゃおっかなー」
「てめぇ神山!お姉ちゃんに何しようとしてんじゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

なんてことを言ってたら、雫が現れた。

「ななななな何もしてないよ!?」
「今しようとしたろ!あぁ!?お姉ちゃんの貞操は僕が守る!」
「貞操って…」

「要!!」

ここで王子様登場。
直ぐ様駆け寄る。

「本当に風邪引くか?…馬鹿」
「……わ、かし君?」
「あぁ。苦しくないか?」
「…わか、しく…」
「!?」

弱って甘える要は行動を大胆にさせる。
日吉に抱き着き離れない様子で、相手を硬直させた。

「あちゃ〜vお邪魔みたいだね〜神山?」
「…そうだな」
「お、お前ら!…要、離れろ」
「いや…」
「…はぁ、食っちまうぞ」
「………」

そんな勇気があるはずもなく、ただ側で頭を撫でてやると、可愛い寝息が聞こえてきた。
それに癒されてしまう。


翌日、大事を取って要は帰ってしまったが、日吉の想いはまた、強くなったというby鳳。




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