Hキスの真実




二人が去ってからの部屋では。

「あのさ、雫?」
「なんですかー宍戸先輩」
「お前は…良かったのかよ?だってキスの相手が男だぜ?」
「別にどーだっていいんですよ。ファーストが大事だし」
「なんやて…自分初やなかったんか!?」
「ええ。大好きな人だったし、いいです」

この男は…なんてやり手だ。と感じる奴等。

「あ、勘違いしないでくださいよ?僕、付き合った人いないし」
「そ、そうなのか…で、どんなんだったわけ?正直に言ってミソ」
「えーなんか恥ずかしいなぁ♪触れるだけだったけど…ヤケに熱い感じが伝わりましたよ」

まるで乙女のように恥じらいながら語る雫に、多少引いた一同。

「フン、だからなんだってんだ。アーン?」
「で、誰なんか教えろよー!気になるC」
「あんまり言いたくないけどー…特別ですよぉ?」
「そんなに焦らすなよ!早くー」

「お姉ちゃん」

ブーッ!!

「宍戸汚ねぇ!吹き出すな!」
「だ、だってよ…キスが姉ちゃんって…いつの話だ!?」
「小さい時!お姉ちゃんは本当に可愛いんだから!」
「わかるけど、それってキスの内に入るの?それだったら俺だって…「シャラァァァァァップ!!僕がいいんだからいいんだ!」

とんだシスコンだ…姉とのキスにこんなに喜ぶなんて。
呆れるテニス部と嬉々と騒ぐ雫。

「アホらし…」
「きっと要は初ですよ。…雫抜きで」
「鳳ぃ?」
「…な、なんでもない」

あまりの形相に目を逸らす鳳。


くだらない話を聞かされて、項垂れる彼等でした。




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