E日吉の夢




「若くん」
「…?」

俺は何をしてるんだ?

「見ちゃいました、寝顔」
「…見るな」
「だって珍しいからつい」
「…」

なんだか納得がいかない。いつの間に寝ていたんだ…?

「可愛かったですよ。寝顔って人を幼く見せますよね」
「可愛くない。だったらお前だって幼…」

考えてみたらコイツは童顔だ。今更幼いも何も無いのに。
俺は、コイツの寝顔を―…

今思い浮かべてしまった。

なんか、堪らなく…可愛いと思ってしまった。

「フェアじゃない。いつか見てやる」
「ふふ、見れるといいですね」
「…」
「な、なんですか?何か顔に付いてます?」
「いや、なんか近づきたくなった」
「へ…?あ、わわ…っ」
「近くで見ると幼さがわかる…」
「そんな、近いですっ!離れてください…」
「なんだ、照れてるのか?」
「そんなんじゃ…若くん、なんか大胆になりましたね」
「なんでだろうな…」

ぎゅっ

「…!?」
「なんでだと思う?」
「…知りません」
「教えてやるよ…俺はお前を…」



ピピピピ…


「…夢か。なんて夢だよ…、俺は夢の中でもさえも言えないのか…」




夢に阻まれる日吉。





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