*お見通しだったとは
「貴方は…」
「俺に油断大敵って言ったのはお前だろ?須藤…要さん?」
「…! まさか、知ってるんですか?」
「俺はそこら辺の鈍い奴等とは違うぜ?お前が女ってこと、知ってるよ」
「そうですか…で、私を揺するんですか?」
「正解…だけどね、君次第かな」
「私は貴方には屈しません。貴方には負けたことないですし」
「それはどうかな?」
その表情からは動きが読めない。読ませない気らしい。振り替えれば日吉曰く「要同様」らしい彼が本気を出し、自分に手を出す。
「…っ!」
「あははっ無様だな須藤。抵抗されるとさ、少し痛み付けてみたくなるんだよ」
「…卑劣っ」
「なぁ、須藤…俺のモノになれよ?俺はずっと見てたんだ。好きなんだ…愛してる」
「そんな簡単に並べた愛の言葉は嬉しくもありません…」
「そう、じゃあ今からお前を痛め付けてあげるよ…」
「…うっ!」
今まで、こんな苦痛…いや、屈辱味わったことはなかった。
祖父に鍛えられ、周りに…誰にも負けない力を頂いた。
今、その支えてくれた優しく、尊敬する祖父はいない。
誰にもすがれない。
怖い。
初めて感じたのかもしれない。
「綺麗な顔に手は出さないから安心しなよ」
今、両手は上に縛られ、足も相手の足で固められている状態。何も出来ない。
本来の女の力を思い知るなんて…こんな危機的に知るなんて…
誰か、助けて――!
『また、負けちゃったか』
あれは、偽り?
「いい顔してるね須藤…可愛いなぁ」
「や、めて…くださいっ…、痛っ」
「腕に痣が残っちゃったなぁ…でもこれも証みたいで…」
…異常。この人は狂気だ。
「あぅ…っ!…わ、」
助けて…若くん…っ
『強くなれ』
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