油断をしてはならないのです
時間が空いたら仕事をしたり、稽古したり。
でもどれも偏りがあってはいけないために、各々が一緒の時間を取れず、暫くは顔を会わせない日々が続いていた。
「しかし、驚きましたよ。神山君が演劇に参加していたなんて」
「俺もさ。お前等は何かと目立つからいい客引きだよ！」
神山は、演劇の友人の所の訪れた時にスカウトされたらしい。神山もテニス部には劣るがカッコイイ。
役は姫を奪おうとする男役。
「敵同士なんですよね、頑張りましょう！」
「俺だって真面目にやるぞ？皆に見られるんだからな」
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「あれ、日吉一人？なんか要がいないから落ち着かないんでしょ？」
「うるさい。珍しくお前と一緒の作業とはな」
「台詞とか覚えた？俺はまだ自信なくてさ…」
「お前と違って俺は覚えがいいんだ。当然」
「ムカつくな〜…っと、跡部さんだ」
「あの人もこの時期は忙しいからな」
「…ん、なんだ日吉に鳳か」
「大変ですねぇ会長は！」
「このくらい朝飯前だ…と言いたいがそうもいかねぇな…そうだ、要はどうした？」
「要？委員と一緒に倉庫へ行ってますよ」
「…そうか。お前等、気を付けてやれ」
「はい？どういう意味ですか？」
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「こんなに物があるのに綺麗に片付いてますね…早く済ませて戻りましょう」
「いや、急がなくてもいいんだよ須藤」
「え、でもやること山積みですよ…ね」
ガチャッ
「…いいんだよ」
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「それは本当なんですか？」
「まだ確信はないが、俺様の勘だ」
「今…アイツ…っ！」
「おい、日吉！？」
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「…油断、してましたね」
「はは。じゃあゲームを始めようか？須藤」
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