さすがにお世辞でも言えません
「若くんとても似合って素敵ですよ」
「…お前も中々だ」
「あぁ…なんて幸せな光景…!」
「王子様のような二人が…!眩しい!」
只今試着しています。
サイズもピッタリで動きやすいです。
「長太郎君は大丈夫でしょうか…」
「…凄く不安だな。」
「お待たせ!いよいよ姫のお披露目だよ!」
そこに現れたのは、期待通りのガタイが良く、褒められた可愛さはない大きなお姫様でした。
「………ぶっ!ぶははははははは!!!」
「これはインパクトが強すぎる!」
「こ、これは遊んでるのか!?凄く恥ずかしいんだけど!な、日吉!」
「話を振るな近寄るな化物」
「酷くない!?確かにその通りだけど…って要、然り気無く苦笑いしないでくれよ!!いっそ爆笑してくれぇぇぇぇ!」
「お、落ち着いて長太郎君…!いいじゃないですか!」
「俺、死にそうだよ…慰めて(グスッ」
「はいはい、ごめんなさい」
「「「!!!」」」
慰めて、と言われて要の取った行動は、ただの母性本能なのかもしれなかった。しかし、周りにいらぬ誤解を招く。
「きゃぁぁ!!須藤君が…鳳君を抱き締めて…っ」
「鳳ずりぃぞ!須藤!俺もやってくれ〜」
「要?あの、恥ずかしいから…さ、離れてくれる?」
「あ、ごめんなさい。迷惑でしたか?」
「全然迷惑じゃないよ!でもね?周りが…」
「いいから早く離れろ」
「(あちゃー…日吉が機嫌損ねちゃったよ)」
「ごめんなさい…」
「お前は謝ることないぞ」
「でも…」
「いいから稽古するぞ」
「ねぇ鳳君…あの二人なんなの?」
「ん?秘密だよ♪」
- 24 -
[*前] | [次#]