私も楽しみにしています
文化祭実行委員会、臨時係に任命されてから忙しい日々を送る三人だったが、三人で力を合わせて着々と作業を進めるのだった。
そんなある日、要のクラスに嵐がやってきた。
「ね、須藤要君と日吉若君いる?」
「いるぜ、おーい!」
「なんだ?俺達は忙しいんだが」
「若くん、話は聞きましょう」
「実はね、貴方達にお願いがあって…華がある二人に劇の主役を頼みたいの」
「はぁ!?なんだそれ…下らないな」
「下らなくないですよ、演劇に華は付き物ですし…で、何をやればいいんですか?」
「ありがと〜須藤君!君には王子様をやって貰いたいんだ!」
「王様の子息ですよね…?若くんには何をやって貰いたいんですか?」
「その従者!」
「コイツの従者か?こんな奴が上なら下克上もないな」
「日吉〜!要〜!終わった…って何してるの?」
「鳳君!君にも頼みたいの!意外性で姫君を頼むよ!」
「「ぶっっっ!」」
「こんなデカイ姫は御免だ!」
「俺も女役は嫌だよ!」
「…でも、楽しそうですよね」
そういった要の瞳は、変わらぬ表情をしていたが期待の目をしていた。
こういうのに彼等は弱いのだった。
「「…わかったよ」」
「本当?…楽しみですね!」
「…可愛いなぁ、要」
「…ふん」
思わぬスカウトを受ける三人。もちろん先輩の耳にも届き、日吉、鳳は絶句する。
「最近の須藤のノリには驚きを隠せないな」
「はは…俺…頑張るよ」
二人の受難は続く。
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