お手伝いしましょう




10月半ば、この時期の学生の楽しみは「文化祭」である。

「1ヶ月後の文化祭に備えて、委員会は今日から忙しくなる。と、いうわけで、その手伝いを二人決めるぞ!」

えぇぇぇぇ!?とブーイングの嵐。

「文化祭実行委員会ってどなたなんですか?」
「あぁ、アイツだ。神山」
「…あれ?あの人はどこかで会いましたね」
「覚えてないのか?前に柔道の試合していたじゃないか」
「そういえばそうですね…神山君って同じ学校だったんですか」
「まずはそこからか…同じ学校だ。そして同じクラスだ」
「そうだよ須藤。酷いなぁ…俺は覚えてたのにさ」
「ご、ごめんなさい」
「ははっいいさ、気にしてないし。じゃあお詫びに手伝ってくれる?」
「私で良ければお手伝いしますよ」

神山隆、日吉と要のクラスメイト。普段は帰宅部だが、柔道を習っている。クラスでも明るくて、友達も多い。

「せっかくだから日吉もどう?」
「…いや、俺は部活がある」
「そうかぁ残念。須藤と二人かぁ!まぁそれでもいいけどね」
「……少しでいいなら俺も手伝ってやる」

神山の挑発的な言葉にうまく乗せられる日吉。こうして二人は手伝いをやることになった。


****

「へぇ、二人とも文化祭実行委員会の手伝いやるんだ。実は俺もやるはめになってね」
「じゃあ一緒ですね」
「宜しくね日吉、要」
「別に宜しくするほどでもないだろ」
「いいじゃないですか若くん。仲間ですよ」
「…ふん」
「うわぁ日吉はやっぱり要に弱いよね!」
「鳳…っ!」

二人のジャレ合い?を笑いながら見る要。
これから楽しくも忙しい。

…文化祭準備の始まりである。




- 22 -


[*前] | [次#]

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -