手を抜かない主義ですので
「お疲れ様です」
「あ、待てよ日吉!これから昼食いに行くんだけどよ、お前も行かね?」
「…別に構いませんが。」
「今日は機嫌良かったんやな…」
部活が終わり、ファミレスに向かう日吉、宍戸、向日、忍足。
「今日も疲れたぜ〜!跡部の奴、手加減しろっての」
「跡部だからな、無理だろ」
「跡部やからなぁ…あ、あれ要やないか?」
「は?どこだよ侑士。最近能力のキモさ増した気がするな!」
「岳人まで酷いわ」
見慣れた彼女の姿を見て全員一致の一言…
『休みまで男装』
「アイツも真面目だよな!おっ、話しかけられてるな!…女に」
「逆ナンかいな。なんや複雑な気分やわ」
「アイツは女ですからね。中身は」
女の子に話しかけられ、なんなく逃れることが出来た要にさすがと言うしかない。
「さすがだな。美少年で通るだけあって道行く人が見てやがる」
「ははっ あ、なんか野郎が近づいてきたぞ」
「…(ピクッ」
そう笑う彼らだが、決して他人事ではない。
そして美少年はもちろん可愛く見えるわけで、男にも話しかけられるわけである。
「あの、私は寄るところがあるんで…」
「いいじゃねぇか。」
「それにこれでも男なんで…」
「男にしちゃぁ勿体無いなぁ♪俺に付き合えよ」
「あの、ホントに…」
「ヤバイな…っておい!日吉…」
「コイツは俺達の連れなんだ、離してくれ」
「なんだお前…」
ギロッ
「…あ、ごめんなさ〜い☆」
あっさり去っていく男。
「驚きました…ありがとうございます…」
「お前、自分が女ってこと忘れるなよ?」
「…はい」
「俺達置いてきぼりやん」
「先輩方、コイツ送るんで今回はキャンセルします」
「お、おー…しっかりやれよ☆」
「何言ってるんですか向日さん」
「…」
「では失礼します。…行くぞ」
「あ、本当に申し訳ないです皆さん!失礼します」
「行っちまったな。」
「日吉は独占欲強そうだぜ…」
「あれ思いっきり独占欲爆発してんで…」
ある日の休日でした。
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