B邪魔はさせませんよ
「あ」
「む」
二人は遭遇してしまった。
「真田さん、こんにちは」
「お前は鳳か」
「この前は要と行動してくださったみたいですね」
「当然だ。女子が一人では危ないだろう」
「あの時は真田さん一人じゃなくて良かったですよ。こちらの計画に差し障りなかったみたいですし」
「計画？なんだそれは」
「いえ、こちらの話ですよ」
「そうか。…須藤は元気にやっているんだな」
真田らしからぬ、柔らかな安堵の表情に、鳳は不安を隠せなかった。だから、先手を取った。
「…言っておきますが！真田さんが二人の間に入る余地はありませんから」
「なんのことだ」
「決まってます…要と日吉のことです」
「日吉と須藤の？アイツ等はやっぱり…」
「どんな相手だろうが、俺が邪魔させませんから！…それでは！」
「ま、待て！…行ってしまったか。…須藤」
真田は複雑な思いだった。要には幸せになって欲しいが、自分の想いに気付いた自分には苦しい決断だと。
真田に、動く決意があるのか、今はまだわからないのだった。
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