女性は大切になさいませ
「あ!須藤君〜!」
「はい、なんでしょうか?」
「きゃー!やっぱり可愛いな〜vV」
「はぁ…ありがとうございます」
要は最近困っていた。この女生徒みたいに積極的な人は、よく廊下で話しかけられる。
「おい、真紀!そんな奴のどこがいいんだ!」
「だって可愛いじゃない!」
「そんなナヨナヨした奴なんかより、俺の方がイケテるし、強いぜ?」
この真紀という生徒の彼氏らしい男が現れ、なんだか喧嘩を売られる。
「ちょっと、やめなさいよ!アンタ知らないの!?」
「関係ねー!お前だって邪魔するなら…こうしてやる!」
「きゃっ…」
「…っ!!」
男がなんと彼女に手をあげようとしているではないか。
そんなことを同じ女である要が見過ごせるわけもなく…
「なっ!なんだ!これは俺等の問題なんだ!」
「私を喧嘩に巻き込もうとした時点で関係ありますよ。それに、男でしたらか弱い女性に手を出すものではありませんね」
「ふざけんなテメェ!」
殴りかかろうとする男の腕を、軽くあしらう要。
「大丈夫ですか」と手を差しのべれば、真紀はメロメロだった。
雄姿を見せつけられ、しかも自分のためとなら余計に好感度は上がるのだった。
そして、そんな彼女に気付かずに男の方を見て言うのだ。
「強き男なら、このくらいは余裕を見せるものですよ」
「…っ!」
余裕の笑み=微笑みに、呆気なく心変わりを見せ、男は言う。
「アンタ、いい男だぜ…!」
…と。しかも頬を染めていた。
「…な?要の男女を惚れさせるテクやで」
「なんか複雑だな…」
「あれで無意識なんだから罪は重いですよ…」
と、宍戸&忍足&鳳は思うのだった。
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