我が雄姿をご覧ください




ある暑い日、またある所では柔道の試合があったのである。

ダァーン!!

「一本!」
「あぃてて…っ」

試合の決着が着き、床に伏せていた男と、涼しげな表情の女…要はそこで戦っていた。

「凄いな…小柄だから油断してたよ須藤」
「ふふ、油断大敵ですよ。甘く見たら痛い目に遭うんです。人を見た目で判断してはいけません」

この日、要は柔道の試合を受けに来ていた。しかも来たのは初めてである。

「…はぁ〜凄い華麗だったね要!」
「ありがとうございます、長太郎君」
「凄いなお前。男相手に」
「あれは相手が油断してたからですよ。コイツと同じくらいの実力を持ってたくせに」

日吉、鳳、宍戸は彼女の応援の様なもので、観に行きたいと言って来たのだ。

「今からお昼の休憩なのでお昼にしましょう」


「なんでも出来ちゃうんだから本当に凄いよ!俺見惚れてたよ…」
「そんな、照れますね。これもお祖父様のお陰なんです」
「要は他に何が出来るんだ?」
「合気道とか剣道とか…一応全部には精通してますよ」
「昔から武道馬鹿だよな須藤は。女らしいのはないのか?」
「あれ、話しませんでした?作法のために茶道とかもありますし、舞も…苦手ですが少々」
「「「舞!?」」」

「きっと要ならなんでも似合うよね…着物も!」
「何妄想してやがる長太郎!」
「顔が真っ赤ですよ宍戸さん」
「着物、ですか…今なら前に撮ってもらった写真がありますが」
「え!本当!?見せて!」
「…鳳、少し落ち着けよ」

要が持っている着物の写真を出すと、そこには普段と違う要が写っていた。

「……」
「……」
「…要?これ要なの?」
「そうですよ?髪は付け毛です」
「凄い…凄い綺麗なんだけど!」
「@★◆; ̄〆!!!」
「宍戸さん、声になってません」

いつもの短い髪ではなく、長髪で派手な着物を着ている要は綺麗、の一言しか出ない程に美しかった。

「化粧するとここまで変わるものなんだな」
「もー素直に綺麗って言えばいいのに。日吉は素直じゃないな!」
「…うるさい」






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