好き、好き。(淳)
聖ルドルフ寮は共に男子禁制とか女子禁制とかだから、お互いの部屋にはいけません。
でも…これは酷い。
「…なんとか潜り抜けただーね!」
「観月も誤魔化せたしね」
「…緊張した〜〜…」
なんかいきなり柳沢と木更津に拉致られたんだよ。
男装までさせられて。
私そんなに女の子に見えないわけ??
「で、私を拉致した理由はなんなの?」
「パーティーしたかったんだーね。あと三浦が欲しがってたゲームも手にはいったんだーね」
「マジかよ!!やった!」
「うわ、後者でテンション上がったよ…」
「早くやりたい!で、お菓子とかジュースはもちろんあるんでしょうね!」
「「もちろん」」
****
「あーあ。柳沢寝ちゃったよ」
「クスクス。しょうがないんじゃない?楽しみにしてたみたいだし」
「そうなの?」
「うん。まぁこの計画は僕が言ったんだけど」
「木更津が!?またなんで…」
「わからないんだ?」
柳沢のアヒル口を摘まんでいたら木更津が近づいてきた。
「!?」
「本当に鈍感だね三浦は。もっと君と時間を過ごしたかったからなんだけど」
ドキッ!
免疫ないんだよね私!
ただでさえ綺麗な顔なのに…そんなに見つめられると…
「真っ赤だよ?」
「だって…!!木更津は顔が綺麗だから直視できないっつか…」
「可愛いね、三浦だって綺麗なのに」
そういって額にキスをする。
余計に顔に血が集中する。
…ん?
あれ?
「木更津…もしかして酔ってる?」
少し酒の匂いに、近くの酒。柳沢も飲んでいたんだろうか、だから早く倒れたに違いない。
「酔ってるよ?…君に」
「あ、甘い!!可笑しいよ!?」
「だって本当に三浦は綺麗だし。僕は好きだよ?」
「酔っ払いに言われても嬉しくないよ!醒ませ!むしろ果てて!」
「何?僕に狼に醒めてほしいの?で、何で果てるの?」
「ひぃ!?」
木更津の顔が妖しく笑む。
だ、誰か……!
これは全く甘くない!そして嬉しくないような美味しい展開だけど…
いやぁぁぁぁぁぁ!!!
翌日、柳沢は頭痛。私は学校を休み、木更津は何事もなかった様にピンピンしていたらしい。
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