無題.1

いつか、終りが来ると解ってた。
僕と彼は違う存在で、
いつかこうなることを覚悟してた、つもりだった。
如何して?
昨日まで笑いかけていてくれたのに。
僕の腕の中で冷たくなっていく愛しい人は
眠っているようで、でも、もう目を覚ますことはなくて

抱きしめてくれた腕の温もりも
好きだと言ってくれた優しい声も
僕の一番大切だったもの、全て
届かないところに行ってしまって

また一人になる冷たさ。
幾度経験しても、慣れることはできなくて

「鴉ぅ……っ」

冷たいよ、寒いよ

「僕を、置いて逝かないで……」

抱きしめても
もう
温もりは帰ってこなかった









+++++++++++++++あとがき+++++++++++++++

こっちは人間じゃないほうの設定の小説です。
先日突然降ってきたネタ。
ううむ、いずれは明るい話を書きたい、です。


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