「かーりやくん」
「先輩!どうしたんですか」
「これあげる!」
「…なんですか、これ」
「見れば分かるじゃない、猫耳よー」
「……ありがとうございます」
「あ、捨てないでよう。行動と言葉が一致してないよ!」
「なんで男の俺がこんなものつけなきゃいけないんですか」
「私、つけてなんて言ってないよ」
「……」
「つけたいならつけてもいいんだよ!わ、私つけてあげる!」
「ウズウズしないで下さい!俺はつけません」
「ええー…似合うと思うのになあ」
「ぜんぜん嬉しくないですよ。霧野先輩にでもあげて下さい、きっと似合うんじゃないですかぁ」
「霧野くんは怒っちゃうからだめだよう」
「……俺なら怒らないって思ってるんですか」
「うん、狩屋くんいつも優しいもん」
「………」
「…狩屋くん?」
「………もらうだけなら」
「ん?」
「もらうだけなら、いいですけど」
「ほんとう!?じゃあはい、これどーぞ。大事にしてね!」
「ありがとうございます」
「どういたしまして…って、わ、わわ、狩屋くんなんで私の髪の毛つかむの!?」
「…ちょっと、しゃがんでください」
「ああ、背がとどかなかったんだね!」
「……」
「はい、これでいい?狩屋くん」
「はい」
「…あれ?いま狩屋くん、私の頭に何かした?」
「ええ、まあ」
「ええっ!?鏡、かがみ…ってうわああ、私のあげた猫耳がついてる!」
「俺よりも先輩の方が似合いますよ」
「そうかなあ?」
「はい」
「かわいい?」
「かっ…え、あ、あ、かっかわ」
「あ、霧野くんだ!霧野くんにも見せてこよう!霧野くーん、見てみてー!」
「」


「霧野くん!見て…きゃあああ!何するのよう狩屋くん」
「髪の毛ぐしゃぐしゃにしただけですよ、ばかなまえ先輩!」
「…なまえ、大丈夫か?」
「……狩屋くん、私が猫耳つけてるの嫌だったのかなあ」
「俺はかわいいと思うぞ?」
「ほんと!?」
「ああ、すごくかわいい」
「えへへ、霧野くんだいすき!」

「」



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それでいいのか狩屋

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