「はあん狩屋きゅんマジ天使」

「おまえの目は節穴か」

黙れ女男。ギロリと睨んだらにらみ返された。おっといつのまにか心の声が口に出てたみたいだ。なまえちゃんうっかり!「きめえ」うるさいなあ、私は今狩屋くんを愛で…もとい観察するのに忙しいんだから。使命に追われる私の邪魔をする暇があるなら蘭丸もこんなとこで油売ってないでさっさと練習してきなさいよ。「俺の足はその狩屋に踏まれてひねったせいで療養中なんだがな」あっれー、そうだっけ?なまえちゃん二度目のうっかり!最近どうも狩屋くんとかわいい女の子のこと以外覚えられなくてね!まあ蘭丸なら記憶に留めてあげないこともないけど!もちろんそういう意味!え、うざい?褒め言葉!それにしても狩屋くんはかわいいな!「…頼むからちょっと自重しろと何度言えば…」あれ?蘭丸嫉妬?私が狩屋くん狩屋くん言うから嫉妬?でもごめんね、私の心は狩屋くんのものなの!かわいいのにかっこいいなんて私のタイプをどれだけ心得てるの狩屋くん!態度は軽いようだけど実は真面目なところとか、普段は冷静に装ってるくせにネーミングセンスはかわいかったり…たまんない!でも一番はやっぱりあの猫かぶりしてるとこよね!ギャップ!ギャップがたまんない!狩屋くんマジ天使の皮をかぶった悪魔の皮をかぶった天使!抱きしめたい!むしろ抱きしめて!!…あれ、どしたの蘭丸。頭なんか押さえて。…頭痛がする?保健室でも行ってきたら?「そういう意味で言ったんじゃ……いや、そうだな。行ってくる。」いってらっしゃーい。それにしても変なの、バカは風邪ひかないはずなのにね!「…バカはなまえの方だろ…」失敬な!蘭丸の男女!え?せめて逆だって?そういう意味ですよー!…っ痛い!ついに手が出た!女の子に手をあげるなんて!女の子にはもっと優しくしてよね!「だったら普段から女らしくしとけ」…失敬な。



「みょうじセーンパイ」
「あ、か、狩屋くん!練習はどうしたの?(狩屋くんと二人きりキタコレ!蘭丸グッジョブ!!)」
「ちょっと、抜けてきちゃいました。みょうじ先輩と話したくって」
「ほんと?嬉しいな、私も狩屋くんとお話したかったの(狩屋くんマジ天使)」
「先輩たち、仲いいんですねえ。隣に座っちゃったりして。」
「うーん、まあ小学校から一緒だしね(狩屋くんペロペロ)」
「ああ、どうりで。だから今も下の名前で呼びあったりしてたんですね。」
「(狩屋くんハスハ…ん?)…え、もしかしてさっきの聞いてた?」

はい。なんでもないように狩屋くんは首を縦にふる。
…どうしようどうしようどうしよう!狩屋くんに私の本性がバレちゃう!私、狩屋くんの前では清楚でおしとやかな優しい先輩キャラで行くって決めてたのに!(まるで正反対だな)…あれ?今どっかから蘭丸の声が聞こえてきたような……気のせいかな!

「…いつから聞いてたの…?」

もはやどっから聞かれてても死んでるけどね!まあ、きかないことには始まらな「いつって…狩屋きゅんマジ天使…ってみょうじ先輩が言ったところからですかね」最初っからやないかい!

「それにしても、知りませんでした。みょうじ先輩がオレのことそんなふうに思っててくれたなんて」

うわあ引いてるよ!狩屋くん引いてるよ!!やっぱり自重しておけば、蘭丸の言うとおりにしておけばよかった!ごめんね蘭丸、これからは蘭丸の言ったこと守るよ…たぶんだけど。

「えっと…えっとね!狩屋くん、これは違くて、あの」
「ええっと…まずは、抱きしめて欲しいんでしたっけ。みょうじセンパイ?」

…ん?


「俺が、なまえセンパイに優しくしてあげますよ」

……んんん??

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